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『藤娘』 その1
2009.07.04 Saturday
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大津絵で最も有名な図は『鬼の寒念仏』です。しかし、図柄として、その“鬼”よりも世間に知られているのは、この『藤娘』の図でしょう。
舞踊に取り入れられ、羽子板や人形にもなっているため、『藤娘』の出自が絵であることを知らない方も多いようです。
大津限定で藤娘の格好をしたキティちゃんの人形も売っており、元の大津絵を知らないまま、御土産に買って行かれる若い女性もよく見かけます。
舞踊では“藤の精”として演じられる藤娘ですが、なぜこのような図柄が生まれたのかについては、長年議論が絶えず、はっきりとはしていません。
絵の意味の捉え方も難しく、人気画題であるにも拘らず、解説のしにくい図柄なのです。
先日、『狐と馬』をご紹介したときに、画家の山田維史からコメントを頂きました。『藤娘』についての氏の考察を簡潔にまとめたもので、コメント欄に埋もれてしまうのももったいない内容でしたので、この記事の最後に再掲載させて頂くことにしました。
『藤娘』については、こういった研究者の方々の論考を引用する形で、絵の紹介としていこうと思います。
以下、2009/06/27付の山田維史氏のコメント抜粋です(記事用に、改行をこちらで挿入させて頂きました)。
“大津絵の「藤娘」について、大津絵を研究した柳宗悦は、「その起源について吾々は今も知るところがない」と述べています。
しかし大津絵の歴史のなかで中期のものには「盛りぞと見る眼も共に行く水の しばし止まらぬ藤浪の花」という歌が添えられていることから、人の世の若い美しさなどは行く水のようにたちまち過ぎてしまうものだ、と心を解釈することができるかと思います。
一方、藤の蔓がからみつくことから、物事への執着、ことに恋の執着のたとえとして歌に詠まれています。またこの蔓の繊維で布を織りましたが、藤衣といい、ごく粗末な衣服でした。
それは喪服に仕立てられもしたので、古今和歌集には次のような歌もあります。「想ふどちひとりひとりが恋ひ死なば誰によそへて藤衣きむ」 つまり、想いこがれ恋いこがれる者たちが、そのために銘々で死んでいてはいったい誰が喪服を着るのだ、ということです。
このように見てくると、古来「藤」には美と執着のイメージが付与されていたと思われます。大津絵の「藤娘」の主題は、おそらくそのようなイメージが民衆的に啓蒙思想に結実していったのではないでしょうか。
興味深いのは、歌舞伎舞踊や長唄の「藤娘」が大津絵をもとにつくられたということです。オリジナルは大津絵なのです。他の大津絵の主題が、仏教説話などを起源にしているのとは大いに異なります。
柳宗悦が「藤娘」の起源は不明だと言いますが、オリジナルが大津絵そのものにあるからではないか、と私は考えています。”
> 『狐と馬』 その3 - Posted by: 信 | 大津絵画題 | 11:05 | comments(0) | trackbacks(0)
大津絵blog 雪月鬼
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キキョウ (2009-7)
2009.07.03 Friday
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今年も桔梗(キキョウ)の花が咲きました。昨年と同じく、梅雨の最中での開花です。
冴えた青というのは確かに涼やかな色で、“秋の気配を感じさせる”と評されるのも分からないではありません。
しかし、この開花時期を考えると、秋の季語というより、朝顔あたりに似た“夏の花”というイメージを持ってもおかしくはないでしょう。
ただし、このまま9月あたりまで咲くことも多い花です。うまくその時期まで花が残れば、秋草としての面目を保てるでしょう。 - Posted by: 信 | 動植物 | 10:42 | comments(0) | trackbacks(0)
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ニホントカゲの子供 その2
2009.07.02 Thursday
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4月の時の小さなトカゲに比べると、体長も10cm強に成長し、そろそろ成体になろうかという大きさです。
大人になったニホントカゲは赤茶色の体色で、画像のような幼体の派手さはありません。
ニホントカゲは5〜6月頃に卵を産むのが通例で、その後2年以上を経て成体になります。成体の大きさは20cm前後になることを考えると、画像の子供トカゲも大人になるにはまだまだ時間が掛かるのかもしれません。
薄い茶色の体をしたトカゲ、カナヘビもこの辺りにはいるはずなのですが、改めて考えてみると最近では余り見かけなくなりました。子供の頃はもっといたように思うのですが…。
カナヘビに限らず、昔はよく見かけたのに最近はいなくなったという生き物が結構いるようです。 - Posted by: 信 | 動植物 | 10:39 | comments(0) | trackbacks(0)
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手描きストラップの制作 (2009-7)
2009.07.01 Wednesday
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5・6月は少し制作ペースを落としていた手描きストラップ、おかげでノルマが溜まってきました。
画像に写っている分で、70くらいでしょうか。在庫が切れかかっている図柄は他にもありますので、まだ全然足りません。
これら全てをストラップに仕上げてしまうのでは無く、しばらくはこの部材の状態のままで保管しておきます。同じ図柄で多数欲しいという注文があったときに備えて、絵だけを事前に何枚も用意しているわけです。
制作を始めて日も浅く、何の絵をどれくらい描けばいいかというのは把握しきれていません。部材のままで留めておくのは、図柄によって在庫に極端な差ができないようにするためでもあります。 - Posted by: 信 | 大津絵制作 | 11:24 | comments(0) | trackbacks(0)
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大津市路上喫煙等の防止に関する条例
2009.06.30 Tuesday
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明日7月1日より、「大津市路上喫煙等の防止に関する条例」が施行されます。
東京より始まり、今では全国各地で制定されている条例で、人通りの多い場所での屋外喫煙を禁止するものです。
主要駅前の他に、坂本・石山寺などの寺社周辺も禁止区域に指定されています。当店の周辺では、京阪三井寺・浜大津駅周辺、JR大津駅周辺などが該当します。
禁止区域には、警告用の立て看板の他に、上の画像のようなプレートが道路に埋め込まれています。
大津市の場合、喫煙者に対して特に罰金などの処罰はありませんが、喫煙が禁止行為には違いありませんので、愛煙家の方はご注意ください。
こういった世の動きを見ていると、何れは屋外喫煙そのものが禁止されていくのではないかと思います。私も喫煙者ですので、肩身が狭いところですが、こればかりは時代の流れと諦めないと仕方ないでしょう。
> 「大津市路上喫煙等の防止に関する条例」制定 (大津市公報) - Posted by: 信 | 大津の街 | 14:02 | comments(0) | trackbacks(0)
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銘木片額 「雷公の太鼓釣」
2009.06.29 Monday
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鉄刀木などの銘木の端材を3種組み合わせた額は、3月からの新しく作りはじめたものです。
このブログでは「竹に昇龍」、「文殊菩薩」の2種をご紹介しました。
オンラインショップでは、「鬼の寒念仏」、「雷と奴」の2種が現在掲載されています。
上の「雷公の太鼓釣」の額は、依頼を受けて制作したものです。特に受注制作を謳っている商品ではありませんが、依頼があればこのようにリクエストに応じた画題で制作することも可能です。
舟板などの古材を利用したもの、豆額やこの銘木片額など木材に描いたものは、全く同じものを複数用意することは不可能です。木肌の調子、色合い、大きさなどが制作するたびに異なります。
実店舗にご来店頂いた場合は、絵を描く前の材を実際に見比べて貰うことも可能です。この場合も、整形や磨きを加える前の材ですので、仕上がりはある程度想像で判断して頂く必要があります。
店で普段制作している画題は、「鬼の寒念仏」や「藤娘」など人気画題に偏りがちです。在庫に無い絵柄を希望される場合は、注文を受けてからの制作が基本となります。
依頼制作だからといって割高になることはありませんので、御希望の方は遠慮なく御相談下さい。 - Posted by: 信 | 大津絵制作 | 11:13 | comments(0) | trackbacks(0)
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『祈りの文化』 信多純一著
2009.06.28 Sunday
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思文閣出版より、大津絵の研究書『祈りの文化』が出版され、実店舗でも若干数をお取り扱いすることになりました。
著者の信多純一氏は、国文学、特に近松研究の第一人者です。近松門左衛門の作品の一つに、大津絵師・吃の又平が登場する『傾城反魂香』があり、信多氏が大津絵研究をまとめられるのも自然な流れなのかもしれません。
『祈りの文化』では、大津絵と古絵馬との相関に着目し、大津絵の成立過程や他の民衆絵画との相互交流を解説されています。
「藤娘」や「相撲図」などの多くの画題が成立して行く過程が、簡潔に考察されており、大津絵に関心のある方なら読み物としても面白いのではないでしょうか。
もちろん本職の研究者による考察ですので、きちんとした裏付けもあり、大津絵の研究書としても貴重な一冊です。
> 『祈りの文化―大津絵模様・絵馬模様』 (思文閣出版)
> 『祈りの文化―大津絵模様・絵馬模様』(amazon.co.jp)
- Posted by: 信 | その他・御連絡など | 10:56 | comments(0) | trackbacks(0)
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